当時のイスラエル社会の階層

 当時、社会は大きく三つの階層に分れていました。「聖」・「俗」・「汚れ」です。「聖」は祭司階級、「俗」は一般民衆、「汚れ」は律法で汚れているとされる病気の人・規則を破った者(犯罪人)・汚れた人々と接触して清めの儀式を経ていない者・真の神を崇めない異邦人(外国人)・・などです。イスラエルは「神の選民」を誇りとし、身も心も、そして社会も、「聖」でありたかったのでしょう。しかしこれが差別する側とされる側の分裂を引き起こし、差別する側には傲慢さや冷淡さが、差別される側には疎外感や諦めや無気力が生まれ、愛のない硬直した社会となりました。神様とはまるで逆の、サタンの特性がはびこるようになります。