しるしの解き明かし 

 そこでそれまで座って語っていた弟子の一人ペトロは、他の11人の弟子達と一緒に立ち上がり、そこにいたすべての人々に声を張り上げて話し始めます。ペトロは、今が朝の9時であることに注目させました。敬虔なユダヤ人は朝の祈りの前には飲食をしないからです。

 ペトロは「聖霊降臨」という不思議なしるしについて解き明かしました。14節で「ユダヤの方々、又エルサレムに住むすべての人達、知っていただきたい」と呼びかけ、22節でも「イスラエルの人達、これから話すことを聞いてください。」と呼びかけ、最後に29節で「兄弟達」と、この説教の結論を語っています。三回にわたる呼びかけによってペトロが語り伝えたことは、一つには、弟子達が外国語で語ったのは神様の霊が注がれたしるしであり、今、ここで聖書の預言が成就したこと、二つには、イエスこそ神から遣わされた方であること、三つには、十字架で殺したイエスを、神は主とし、またメシアとなさったこと、です。