はじめに

 私達は、過去多くのキリスト教徒達が迫害を受けて殉教の死を遂げてきたことを知っています。今日はその最初の殉教者となったステファノと、迫害者達の言動から、信仰について学びたいと思います。ステファノは、恵みと力に満ち、すばらしい不思議な業としるしを民衆の間で行っていました。ところが、ユダヤ教徒のある者達がステファノに議論を試みます。ステファノは、十字架で殺され復活したイエスこそ、神様から遣わされた救い主であり、このイエス様以外には救いがないことを力強く語り伝えていたことでしょう。議論をしかけたユダヤ人達は、神様からの知恵と霊を与えられたステファノの前に歯が立たず、人々をそそのかして偽りの証言をさせ、更に宗教指導者達を巻き込んでステファノを捕らえ、神殿と律法をけなしたという理由で議会に訴えさせました。議会でのステファノは大祭司から証言を求められ、始祖アブラハムから始まる2000年の歴史を語り始めます。その内容はその場にいた人々も良く知っていることでした。では何の違いが、一方を迫害者とし、一方を殉教者としたのでしょうか。