神に感謝する

 しかしパウロもルターもこの嘆きを覚えながら、キリストによる救いを与えて下さった神に感謝しているのです。「私達の主イエス・キリストを通して神に感謝しています」(25節)。自分の罪に嘆くその中で、パウロは神に感謝しています。ルターについて言えば、この奴隷意志・・意志が奴隷的だといった文章はルターの代表的な著作の一つになっています。一方では、人間の意志の奴隷的な性格を言いながら、他方では、神と人間が協力して、この世界を導いていくという思想を展開しています。パウロもルターも、選択の自由意志の罪ということを問題にしながら、しかし同時に救いを語っております。