はじめに

 今日の聖書は、イエス様がティルスという地方に来られたところから始まります。ここで、「異邦人の女」がイエス様の足元にひれ伏し、必死の思いで娘にとりついた悪霊を追い出すよう依頼します。しかしイエス様は、「まず、子供達に十分食べさせなければならない。子供達のパンを取って、子犬にやってはいけない」と語ります。つまり「父なる神様の御計画通り、まずユダヤ人(イスラエル民族)に救いの恵みを与えなければならない。まだそれが終っていない。その前に異邦人に救いの恵みを授けることは、神様の秩序に反する」という意味です。その言葉に対して異邦人の女は、イエス様に「主よ」と呼びかけ、イエス様が救い主であることを告白します。(マタイ福音書15章では「主よ、ごもっともです」と、素直に受け止めています)。そして「食卓の下の子犬もパン屑はいただきます。」と続けました。


 つまり、イエス様の救いの恵みはとても豊かであるから、私はそれを慕い求めて足元におります。私は異邦人ですがユダヤ人(イスラエルの民)に与えられる恵みのおこぼれなら、いただいても神様のご意志に逆らうことにならないのではないでしょうか。」という機知に富む答えをしたのです。


 そこでイエス様は、ご自分を「主」と崇め主の御心を第一にしながらも娘のために癒しを願ったこの異邦人の母親の信仰に答えて下さいました。