はじめに

 本日の聖書の箇所は史上初の殺人、兄が弟を殺した出来事を記しています。殺人は、弟と比較された怒りによって引き起こされ、嫉妬心も絡んでいたと推測されます。神が、弟アベルとその献げ物に目を留められたが、兄カインとその献げ物には目を留められなかったということを告げています。自分の献げ物が顧(かえり)みられなかったことに、カインは激しく怒ったのです。カインは自分について思い巡らすことをせずに、期待していた反応を神が示してくれなかったことに腹をたて、その怒りのほこ先を、八つ当たり的にアベルに向けたのです。ずい分身勝手なことだと思いますが、私達の日常においても十分に起きうる出来事ではないかと思います。カインもアベルも神を信じていた者であり、献げ物を献げる信仰を有していました。その二人の間に一体なぜ殺人という悲惨な事件が起きたのか。聖書を読みながら ご一緒に考えたいと思います。