議会で

 パウロは鎖を外され、議会で弁明の機会を与えられました。パウロは冒頭で、「兄弟達、私は今日に至るまで、あくまでも良心に従って神の前で生きてきました。」と語りました。人は生まれながらに「良心」をもっていますが、その良心は時にマヒし、或いは働かなくなる時があります。パウロが語る良心は、「神の前で生きる者としての良心」、「完全にはっきりとした、正しい良心」などと訳されます。パウロは次の章でもこう言っています「私は、神に対しても人に対しても、責められるところのない良心を絶えず保つように努めています」。キリスト者は、人の前で生きるより先に神の前で生きる者としての良心が与えられており、その働きが鈍らないように、パウロは日々努めていたのです。


 この議会ではパウロが、ファリサイ派に目を向けて、自分は同じ復活の信仰をもつキリスト者であることを訴えました。その為、復活を信じないサドカイ派と、復活を信じるファリサイ派との間で論争がはげしくなり、千卒長は議会に軍隊を入れて、パウロを力ずくで助け出しました。