はじめに

 今日の聖書は癒しの奇跡の一つです。「耳と口の不自由な人を癒した」話(マルコ7:31〜37)との共通点として挙げられることは、体の不自由な人が連れて来られ、イエス様が手を置く(触れる)ことによって癒されると信じて懇願していることです。(当時は癒す能力のある人から触ってもらうだけで、そのエネルギーが患部に移って正常な状態に回復すると思われていた。特にイエス様からは力が出て、すべての人の病気を癒していたので、群衆が何とかしてイエス様に触れようとしたとの記述が数か所ある)。更には、イエス様が救いを求めて来た人を大勢の見物人から連れ出して、一対一で癒されたことです。一対一で向き合うことで、切実に救いを求める人には神様が内面的な交流をされようと働きかけて下さることを、以前学びました。癒しの具体的な方法としても共通点があります。当時、民衆が薬としてとらえていた「つば」を患部に塗られたこと(手を置いたこと)などです。


 イエス様は、純粋にその御力を信頼して来た人々を、憐みを持って癒されました。神様の御国では、救われたいと願い救いを信じる者には救いが訪れることを、「癒し」で示すことが一つの宣教だったのでしょう。