船路

 この船旅は非常に厳しい苛酷なものとなりました。船には276人乗っていましたが、冬の初めに何週間も吹き荒れる嵐「エウラキロン」の中に突入してしまったのです。船は流れにまかせ、積み荷も船具も投げ捨て、幾日もの間、太陽も星も見えず、暴風が激しく吹きすさぶため、人々は絶望状態の中に置かれたのでした。その時、囚人パウロが語りました。「元気を出しなさい。船は失うが、皆さんのうち誰一人として命を失う者はないのです。私が仕え、礼拝している神からの天使がこう言われました。『パウロ、恐れるな。あなたは皇帝の前に出頭しなければならない。神は、一緒に航海しているすべての者を、あなたに任せて下さったのだ。』私に告げられたことは、その通りになります。」


私達の信じる神は、このようにいつも「恐れるな」と私達に語ります。