はじめに

 受難節第5聖日に入りました。受難節は主イエス・キリストのご受難を覚え、克己・修養・悔い改めの時として過ごす40日間でもあります。広辞苑によれば、克己とは、己(自分)の欲望、感情などを自分の意志で押さえ、うち克(か)つことです。修養とは、精神を磨き、優れた人格を形成するようにつとめることです。悔い改めについては、A.W.トウザーが書いたショート・メッセージをご紹介します。


 「神にお出来にならないことがある。それは、神は私達の為に代わって悔い改めることが出来ないということである。神は全ての人に悔い改めるように命じられた。それは人間だけがすることの出来る働きである。一人の人が別の人のために悔い改めることは道義上不可能である。キリストもこれは出来なかった。主は私達の為に死ぬことが出来た。しかし私達の為に悔い改めることは出来ない。私達は救われる前に、自分自身の自由意志で神に向かって悔い改め、イエス・キリストを信じなければならない。


 悔い改めは道徳的な改革を含む。間違った習慣は人間側の問題なので、人間だけが修正することが出来る。たとえば「うそ」をつくことは人間の行為であり、その全責任を自分で取らなければならない。悔い改める時、その人は「うそ」をつくことをやめる。神ではなく、その人が、自分自身でやめるのである。」


罪を犯す時、人は魂に取っ手をつけ、サタンが握れるようにする。 悔い改めは、その取っ手を取り除く。