はじめに

 イエス様が、十字架という受難を受けるべき場所・エルサレムを目的地として、一行は旅をしています。そしてあと20数キロという町エリコに来ていました。町を出ようとしていた時、一人の盲人バルティマイが、イエス様一行が来ていることを人々から伝え聞きました。「過越の祭」を前に、エルサレム神殿には多くの人々が参拝のため集まり、その手前の町、エリコも賑わっていたことでしょう。そのざわめきの中から、「ナザレのイエス様一行のお通りだ」との声を聞いた時、バルティマイは千載一遇のチャンスととらえました。恐らく彼は、人々の噂になっていたイエス様の癒しの力や奇跡の業、語られる御言葉を通してイエス様のことを「来るべきメシア(救い主)」と素直に信じていたと推測されます。