バルティマイの信仰

ダビデの子イエスよ、私を憐れんでください」(47節)との彼の叫びは、彼の信仰告白です。ユダヤ人達は預言者の言葉を通して「メシアはダビデの子孫から生まれる」と信じていました。バルティマイの、イエス様への呼びかけは、「メシアであるイエス様!」との信仰告白でもあります。そして「私を憐れんでください」の叫びは、苦しみを共感して下さる全能の神様に対して、救いを求める祈りと言えます。バルティマイの叫びを聞いた弟子や群衆は、「叱りつけて黙らせようと」(48節)しました。盲人で物乞いの「取るに足りない人間」の願いを無視してもよいと考えたのか、或いは、イエス様の道行きをさえぎるほどのことはないと判断したのかもしれません。彼らの態度は威圧的だったことでしょう。この世の価値基準が、イエス様の価値を直感でわかって信じるバルティマイの妨げになっています。しかし彼は屈することなく、一層大きく叫び続けたのです。