はじめに

今日の譬え話は、ザアカイの家に立ち寄られたイエス様が、そこに集まっていた人々に話された話であると考えられます。この話の前提として、「人々が神の国はすぐにも現れるものと思っていたから」とあります。つまり、エルサレムに向かうイエス様に従ってきた多くの群衆は、奇跡や不思議を行うイエス様こそメシアであり、メシアである以上、近い内に、自分達民族をローマの支配下から独立させて、「神の国」を実現させて下さるだろうとの期待を、イエス様に対して抱いておりました。イエス様は、彼ら達が自分達の夢と期待をふくらませて、「神の国」を勝手に頭の中でつくり上げている現実を見て、このたとえを語られました。