譬えの意味

この譬えで家の主人とはイエス様のことです。「王の位を受けて帰る」とは、イエス様がこれからエルサレムで受難され十字架の死と復活の後、天に昇られ、神の右に座すという「神の栄光を受けられて」、やがて再臨と言う形で戻って来る、という長期の不在の予告です。神の国はすぐにも現れると考えていた人々に、そうではないことを予告しています。

さて、僕達に託された1ムナとは何を意味するのでしょうか。これはイエス様が与えて下さった「福音の恵み」と解釈出来ます。イエス・キリストを信じる者は、福音に対して皆同じ恵みを受け、同じ責任を受け取ります。福音そのものには、一粒のからし種のように、畑に蒔けば、やがては空の鳥が来て、枝に巣を作るほどに成長する力があるのです。

譬えの中で、主人は僕達に同じ結果を求めてはいません。5倍でも10倍でも王は同じように喜び、更に「町を支配する」という大きな課題を与えています。その上、10ムナの僕には、さらに1ムナを与える方です。