はじめに 

詩編は150の詩から成り立っています。150もありますから、内容も様々です。たとえば困難な状況に置かれた詩人が、その状況を神に嘆き訴える詩、信仰の確信を表明したり、神を賛美したりする詩、又心の底から絞り出す願いを神に叫び求める詩など幅広い内容となっています。そのような150の詩編の冒頭に置かれたのが今日の詩編、第一篇です。いうなれば、詩編全体の序文と評されているものです。たとえば宗教改革者のジャン・カルヴァンは、詩編注解の中で次のように記しています。「この詩編を、全巻の冒頭に序詞として置いたのは、すべての信仰者に、神の律法を瞑想する義務を思い起こす為であった。」さらに続けて、「天来の知恵に心を傾ける者は幸福となり、反対に神をあなどる者は、たとえ暫くの間、自らを幸福な者と考えるとしても、ついには、はなはだしい不幸に陥るだろう。」 
私達も今朝、この詩編第一編に心を傾けたいと思います。