メシアの働き

  ユダヤ教の有力者達は「メシアは、ローマの支配下で虐げられている自分達を解放し、ユダヤ人国家を作る政治的な王」と考えていました。しかしイエス様が説く「メシア」は、先ず「霊的な救い」を成し遂げる役割でした。サタンの支配下に陥っている人間の苦しみや悲惨さから人間を霊的に救うことが第一の任務でした。
 イエス様は、ダビデがメシアに、霊的な面で「わが主」と呼んで敬意を払っていることを指摘されます。律法学者達の「メシアはダビデの子孫であるべき」ことは二の次です。イエス様が詩編を引用されたのは、聖霊によって、霊である神様の本質やその御心を知り、従う者こそが「メシア」であり、それが「御自分である」ことを示すためでした。
  イエス様をメシアとして受け入れない学者達と違い、「大勢の群衆は、イエスの教えに喜んで耳を傾け」(37節)ました。群衆は、イエス様の御言葉を、サタンに邪魔されずに受け入れることができたのでしょう。