その水を下さい

 女性はイエス様の言葉を聞き、「もう水汲みに来ないでいいように、その水を下さい」と頼みました。しかし、イエス様が語られたのは、肉体の渇きを癒す水ではなく魂の渇きを癒す水のことでした。イエス様は、女性が肉体の渇きのことしか考えていないのを見て、もっと大切な、根本的なことに目を向けるように会話を導かれます。それは彼女の「今、現実」の生活に目を向けることでした。女性が、正午の暑い時を選んで水汲みに来たということは、人目を避けて来たのであり、その理由があるはずです。
エス様は女性に、夫を呼んでくるように言われました。女性は「私には夫はいません」と答えます。実は、女性は過去に5回離婚を繰り返し、今一緒に住んでいるのは、正式な夫婦関係を結んでいない男性であることが、イエス様によって明らかにされていきます。