「わたしだ。恐れることはない。」(20節)

自然の猛威に対する恐れと、何ものかが近づいてきたという恐れを吹き飛ばしたのは、イエス様の、「わたしだ。恐れることはない。」との一言でした。この一言が、それまでの弟子達の労苦・困難・思い煩いを吹き飛ばし、肩に力が入り緊張していたその状況を打ち破りました。
弟子達は大喜びでイエス様を舟にお乗せしようとしましたが、舟はまもなく目的地に到着したのでした。
日常的には弟子達は、いつもイエス様を愛し尊敬し信頼していました。しかし今日の箇所では、弟子達はイエス様が海上にいる自分達を助けに来てくれるとは考えませんでした。だからこそ近づいて来る何かを見て、おびえたのです。イエス様は、群衆からは退かれましたが、人間の魂を救うというイエス様の仕事を助けるために選び出した弟子達への愛は、片時も離れることはありませんでした。体は離れていても、弟子達が今、どこで、どのような状況の中に置かれているかはご存じでした。そして、御自分を必要としている時はどこにいようとも、来て下さり「わたしだ。恐れることはない。」と言って下さいます。
この言葉は、信じる私達に今も、同じように語りかけて下さっています。