預言の言葉の実現

この三つの出来事に共通しているのは、いずれも、旧約時代の預言者の言葉が「実現するため」、「実現した」、と記されていることです。最初の出来事は、旧約聖書のホセア書11章の1節、二つ目の、ヘロデ王による幼児虐殺の出来事も預言者エレミヤの言葉が引用されています(31:15−)。最後の句は、おそらくイザヤ書11:1の、「エッサイの株からひとつの芽が萌えいで、その根から一つの若枝が育ち、その上に主の霊がとどまる」という、メシアが、切り倒された木から若枝の如く出て来るという言葉の、旧約聖書原語のヘブライ語「若枝」が、新約聖書ギリシャ語に訳される時に「ナザレの人」への転化が起こったと考えられています。