心の貧しい人

イスラエル民族の歴史において、「貧しい人々」とは、自分の国を失い、自分の土地を奪われ、見知らぬ外国での生活を強いられた「バビロン捕囚時代」のイスラエルの人々全体を指す言葉でした。その後イスラエル社会は、異教社会の影響を受け、社会の上層部と社会的に貧しい人々に分かれ、祭司の家系も含めて上層部の人々は堕落し、「貧しい人々」とは、自分達の困難な道を受け入れ、昔から伝えられてきた神様への信仰と、神様の戒めを大事に守っている敬虔な人々を指すようになりました。彼らは貧しさゆえに抑圧や不正が加えられ、迫害され、時に嘲笑され、全てを神様に期待せざるを得ない人々でしたから、神様の裁きと神様の助けと救いを待ち望みました。「心の貧しい人」とは、神様の前での自分の心の奥底の貧しさを知っている人々、「打ち砕かれて、へりくだる霊」(イザヤ57:15)をもっている人で、「幸い」との根拠は、将来的に、天の国が彼らのものだからです。