はじめに

今日の聖書は、イエス様の、「心を騒がせるな。」という弟子達に対する言葉から始まります。心を騒がせるとは、心がかき乱される、不安に脅かされることです。この時の弟子達は、どういう状況だったのでしょうか。
三つのことが考えられます。
一つは、「あなたがたのうちの一人がわたしを裏切ろうとしている。」というイエス様の予告です。これまでイエス様を信じ、すべてを捨ててイエス様に従ってきた仲間から、脱落者がでるというのです。
二つには、(これが一番大きな原因と思われます)イエス様が弟子達から離れていくという予告です。イエス様から「わたしの行く所についてくることは出来ない」と言われ、この時ユダヤ人達の敵意・殺意は強く、弟子達は皆、イエス様との死別を覚悟し、厳しい状況に自分達が残されることを頭に浮かべたことでしょう。
三つには、リーダー格である弟子ペトロが、「あなたのためなら命を捨てます」とイエス様に言った時、イエス様は「あなたはわたしのことを三度知らないと言うだろう」と、ペトロがおおやけに、師であるイエス様を否認する予告をしたのでした。