「神を信じなさい。そして、わたしをも信じなさい。」

仲間の裏切り、イエス様との離別、リーダー格によるイエス様の否認・・。これらが弟子達の心を騒がせていたと想像できます。私達人間は、先が見えない時、希望が持てない時、挫折した時、敗北感を味わった時、心はかき乱され、失意の中で落ち込んでしまうことが常です。そのような状況に置かれて、尚、強く立ち続けていくには、どうしたら良いのでしょうか。
心を騒がせるな。神を信じなさい。そして、わたしをも信じなさい。」
これがイエス様からのメッセージです。何一つ明るい希望の持てるような状況にない、その中で、イエス様は尚、これまでと同じように「神を信じ、わたしをも信じなさい」と信仰を要請されているのです。なぜならイエス様がこれから行こうとされている「父の家」には沢山の住まいがあり、場所の用意が出来たら、弟子達を迎えに戻って来られるからです。
エス様は、「わたしがどこへ行くのか、その道をあなたがたは知っている」と、弟子達なら、その信仰によって知っているはずと言いました。
弟子のトマスは非常に驚き、「主よ、どこへ行かれるのか、私達には分かりません。」と答えます。今、イエス様を信じることこそが、これからのことに眼を開くことになるのに、トマスは無条件にイエス様を信じることが出来ず、イエス様の行き先も道も分からないと訴えます。