「その日、その時を知らないのだから。」

このたとえ話は、花嫁に付き添う10人のおとめ達に光をあてています。10人共、自分達は祝宴に招かれて出席出来ることを信じて疑わなかった人達です。しかしこの内の5人のおとめは、祝宴の喜びに加わることは出来ませんでした。花婿の到着が遅れたことにより、おとめ達は待っているうちに眠気が襲い、皆眠ってしまいました。花婿の友人達の呼び声で目を覚ました時には、おとめ達のランプの油は切れかかっていたのです。夜道はランプなしでは危険で歩けません。5人のおとめ達は予備の油を用意していたので素早く準備を整えて、花嫁と共に迎えに来た花婿の後に従って祝宴場所へと向かいました。しかし他の5人のおとめは、油の用意がなく油を買いに行かねばなりませんでした。その間に、祝宴場所の扉は閉められ、後から「開けてください」と頼んでも、扉の向こうからは、「わたしは、おまえ達を知らない」という声が返ってきただけでした。