はじめに 

 ユダヤベツレヘムの地方で、羊の群れの世話をしていたユダヤ人の羊飼いにとって、「地には平和」という神様から知らせを受けたことは、間違いなく、一生忘れることの出来ない出来事だったでしょう。羊飼い達は貧しいけれども誠実なユダヤ人でした。彼らはおそらく、ユダヤ人達が辛抱強く何年も待ち望んでいた出来事を、目の当たりにする可能性に興奮していたことでしょう。何が起こっていたのかを話しながら、「もしや、これが沢山の預言者達の語ってきたことでないのか・・」「これが約束されてきたメシア(救い主)の降臨なのか・・」「今日、神様は、昔から語り継がれてきた救い主の約束を成就なさった・・」との思いを巡らしていたのではないでしょうか。私達はこの貧しいながらも敬虔なユダヤ人の羊飼いが考えていたことを想像することしか出来ません。しかし少なくても彼らは、何が起きたのか、その様子だけでも見に行かずにはいられなかったのではないでしょうか。