キリストの顕現

 マリアに対して、復活したキリストご自身が姿を現した出来事を伝えているのが今日の聖書の個所です。主の遺体があった所に、二人の白い衣を着た天使がいた。その一人が「婦人よ。なぜ泣いているのか」と尋ねたとあります。天使という超自然的な存在が出てくると大概の人は恐れますがマリアは恐れてはいません。「私の主が取り去られました。どこに置かれているのか私にはわかりません。」そう言っている内に背後に人の気配を感じて振り向くと、そこに復活した主が立っておられました。不思議なことに、マリアはそれがイエスであるとわからなかった。(まだ暗かったので姿がよく見えなかったのだろう。或いは泣いていたので涙で姿がよく見えなかったのだろう。或いは復活した主の姿が生前の主の姿と違っていたのだろう、など色々な可能性があると思いますが聖書は何も語っていません。)主イエスは「婦人よ、なぜ泣いているのか。誰を探しているのか。」と尋ねられ、マリアは主を墓の番人か何かと勘違いして、「あなたがあの方を運び去ったのでしたら、どこに置いたのか教えてください。私が、あの方を引き取ります」
 その時、復活の主ご自身が「マリア」と呼びかけると、マリアは「ラボニ(アラム語で先生)」と答えます。この時初めてマリアは目の前に立っているのが復活した主イエスであることがわかりました。この「マリアよ」「ラボニ」というやりとりは、復活の記事の中でも最も印象的なやりとりではないかと思います。