「わたしに良いことをしてくれた」(10節)

 以前「ぶどう園の労働者のたとえ」を学んだ時、たとえの中で主人は最後に「自分のものを自分のしたいようにしてはいけないか。それともわたしの気前のよさをねたむのか」と言いましたが、この女性が香油をイエス様にささげたいと願ったその思いは、誰にも止める権利がないことは明らかです。そのことを弟子達は忘れ、あたかも香油の一部が自分の物であるかのように正論をつきつけました。気持のどこかでこの女性のイエス様に対する愛の豊かさに嫉妬していたかもしれません。弟子達の批判・非難は女性の心を傷つけ、苦痛を与えたことでしょう。イエス様は弟子達をたしなめて「なぜ、この人を困らせるのか。私に良いことをしてくれたのだ。」(「なぜ、この婦人を苦しめるのか。この婦人は私に美しいことをしてくれたのだ。」別訳)と、言われました。