論争点

 問題は、「異邦人キリスト者にも割礼が必要か。そしてモーセの律法を守らせるべきか」でした。厳格なユダヤ教からキリスト教に改宗したユダヤ人は、異邦人キリスト者も又、律法を守るべきであり、割礼も当然受けるべきであると主張しました。パウロバルナバは、律法や割礼を否定していたわけではありません。むしろ、律法を神の御心として大切に守っていたことでしょう。けれども、律法を守らなければ、そして、割礼を受けなければ、神の恵みの中には入れない、救われないと主張する点においては、彼らに同意することは出来ませんでした。神様の恵みは、イエス様を信じる信仰において現れたからです。もし律法を守らなければ救われないという条件を付け加えるならば、それは、信仰からもイエス様からも外れることになることをパウロ達は主張しました。この議論は決着しなかった為、アンティオケ教会はパウロバルナバの他、数名をエルサレムに派遣しました。