マリアの悲しみと絶望

 マグダラのマリアは、主の遺体が消えたという情報を弟子たちに伝えに行きますが、その後も墓へ戻り墓の外で泣いておりました。彼女はイエス様の死によって、み跡に従って歩む幸いを奪われて絶望していました。彼女は、死の世界の象徴である墓の方を見つめ、イエス様の遺体の在り処を知りたいと願うばかりでした。自分の狭い考えの中での、最善の希望に固執して、それがかなわないことで絶望したのです。人間の悲しみは このように、死や暗闇の方向ばかり見ていることや、自分の考え・感情に囚われることからくる場合が多いのではないでしょうか。