パウロの見た幻

 二つ目の出来事は、パウロ達の伝道がすべて聖霊の導きによって行われていったということです。彼らはアジア州での宣教が「聖霊から禁じられた」(6節)とあります。今回の伝道旅行は、第一回の伝道旅行で救われた人々を再び訪問し、力づけ、励ますことが主な目的でした。祝福されるべきこの伝道の道が閉ざされたのです。そこで、別の経路を選びますが、今度はビティニア州に入ることを「エスの霊がそれを許さなかった」 (7節)のです。なぜ自分達の進む道がこのように阻まれるのか、自分達がどこに向かっていくのかわからないまま、彼らは残された道を進んで行き、そして到着した場所がトロアスでした。


 当初の伝道旅行の計画にはなかった、この海沿いのトロアスに到着した時、パウロはある幻を見ます。一人のマケドニア人が立ってパウロに助けを求めたのです。パウロは翌朝、自分の幻を同行者に伝え相談しました。そしてこの幻は「マケドニアで御言葉を伝えるように」との「主の導き」に違いないと確信したのです。


 この時からパウロ達は東から西へ、小アジアからヨーロッパへ、その歩みをすすめることになりました。