アレオパゴスの演説

 ここでのパウロの説教は「アレオパゴスの演説」として知られる有名なものです。パウロは、アテネの人々が多くの神々の為に祭壇を作り、「知られざる神」の為の祭壇まであることに触れ、彼らは信仰心厚く、宗教的努力がなされていることを認めました。しかしこのような、自分達の全く知らない神の為にも祭壇を築くという行為の背景には「恐怖」があります。自分達が知らずに見逃してしまった「神」の怒りを買わない為にも、この神の為に祭壇を築き、拝み、感謝しておく必要があると考えた彼らに、パウロは「知らずに拝んでいるものをお知らせしましょう」と語りました。