パウロの伝えた神

 パウロはこの演説で三つのことを語りました。一つは、知られざる神とは、すべてを造られ、天も地をも支配している神であること。それゆえ、人が造った祭壇や神殿は必要ないこと。かえって全ての人に命と息とその他すべてを与えて下さる神に私達が依存していること。二つめは、神が人間に時間と空間を与えられたのは、神を求め、神を認識し、神との交わりを持つ為であること。神は遠く離れているわけでなく、すべての人間の心が神の目の前にあること。人間が動き、欲し、行動する運動など、すべては神の創造といつくしみによっていること。三つ目には、これらの偶像神は生きたものではなく、人間の考えや技によってこしらえあげられたものである。神を求めるなら、上を見上げ、生きた神を信ずべきこと。人間は神に根差しており、探し求めさえすれば神を見いだすことができるようになっていること・・を語りました。