「イエスのことは知っている。だが、お前たちは何者だ」(悪霊の言葉)

 さて本日の聖書では、ユダヤ人の祈祷師達の出来事が書かれています。ユダヤ人の祈祷師とは、ユダヤ教の信仰を捨て、おまじないをする者として各地を巡り歩いていた人々です。パウロの「イエス・キリストの名による奇跡」を見た祈祷師達は、「イエスの名」を、自分達が使っている呪文と同じように考えたようです。彼らは、正当さも真理もなしに、そして信仰もないままパウロをまねて、悪霊につかれた男に向かって「イエスによって命じる」とその名を用いました。その結果、名前だけを乱用する祈祷師達を、悪霊自身が見抜き、悪霊につかれた男に祈祷師達を襲わせたのです。この出来事によって、イエス・キリストの名には力があり、偽物は暴露されることがおおやけになり、この事件は人々に恐れを抱かせ、イエス・キリストの御名が崇められる結果となりました。