士師記

 イスラエルは、エジプトの奴隷の生活を400年間強いられ民は苦しんで神様に叫びました。神様はその叫びを聞き、モーセを通してイスラエルの人々をエジプトから解放しカナンの地に導きました。イスラエルの人々はさまざまな奇跡を味わい、荒野での生活を通して神様の臨在を体験したにもかかわらず、カナンの地に入ると異邦人達の文化やその風習、又、偶像崇拝の罪悪に染められていきました。神様が警告し憎まれた他の神々を礼拝し、カナンの宗教的な慣習に同化されていきました。その都度、神様は他の国々を興し、イスラエルを苦しめ侵略するように仕向け、その危機の中でイスラエルが神様に立ち帰るようにされました。


 危機に直面すると、神様は一人の指導者を選び、彼を通して神様の御旨を伝え、神様に背いた状態から正しい信仰に戻るように神様の愛を一生懸命に訴え、神様の前で正しく生きることが何であるかを教えて無理やりにでも引き戻す、そのような過程がよく描かれています。


 人間は、罪を多く行ない背く存在であることを示しています。それにも拘わらず神様は、イスラエルをご自分の民として選ぶのをあきらめない。どうにかして自分が選んだ民を、様々な試練や問題を通して神様に連れ戻そうとする、その愛と執念が描かれているのが士師記です。