ギレアドの長老達

 しばらくしてアンモンの人々が、イスラエルに戦争を仕掛けてきました。危険にさらされたギレアドの長老達は、エフタを連れ戻そうとやって来ます。「帰って来てください。私達の指揮官になっていただければ、私達もアンモンの人々と戦えます。」(6節)を見ると、エフタの群れが、いかに力強い大きな群れになっていたのかが分かります。当時は王はなく、神様から選ばれた人が、神様の指示に従って、自分の民を治めていました。近隣地域との摩擦が常にあった当時において、強い軍事力と優れた指導力をもった指導者がいるかいないかは、その国の存亡が左右される重要なことであったのです。それでギレアドの長老達は、危機を前にして、自分達が追い出したエフタの所に助けを求めて下ってきたのです。


 エフタは「私がアンモン人と戦い、主が彼らを私に渡してくださるなら、この私があなた達の頭になると言うのですね。」と、長老達の話を確かめようとします。それはギレアドの人に対する不信感が残っているような感じがします。勝利の後、いつか又変わるのではないかという気持が見えます。そして、「主が彼らを私に渡してくださるなら」と言うのを見ると、戦いに勝つのは自分の力ではなく、主の力によるものだということをしっかり示しています。エフタの信仰の姿勢が表れているのです。人々から捨てられ、荒野の生活を体験したエフタは、人を頼るのではなく神様に頼っていく、そのような姿勢を常に学んできたのです。


 ギレアドの長老達は言います。「主が私達の一問一答の証人です。私達は必ずあなたのお言葉どおりにいたします。」