エフタの誓い

 エフタは兵を集めます。その時エフタは主に誓いを立てています。

「もしあなたがアンモン人を私の手に渡してくださるなら、私がアンモンとの戦いから無事に帰るとき、私の家の戸口から私を迎えに出て来る者を主のものといたします。私はその者を、焼き尽くす献げ物といたします。」

 そしてエフタは、アンモンと戦い、徹底的な勝利をおさめます。勝利の喜びをもって帰ってきたエフタの前に彼を迎えたのは、喜びに溢れて踊りながら家から出てきた彼の一人娘でした。突然、勝利の喜びは、悲劇に変わりました。イスラエルには人を神様に献げるというような習慣はないのです。しかしここにそのようなことが書かれているのは、当時、異教の宗教の儀式が、一時的にイスラエルにも入って来たのではないか、と聖書学者達は解釈しています。


 一人娘を失うエフタの悲しみ。父親の話を聞いた一人娘は、その父親の誓いに素直に従いますが、悲しみが込められているこの娘の話は、読む者を残念な気持にさせるのです。