「騒ぐな。まだ生きている。」

パウロ達一行はトロアスで一週間滞在します。出発の前日の日曜日に聖餐式を行う為、キリスト者達が集まりました。階上の部屋には沢山の灯火がともされ、そこで、パウロの説教が夜中まで続きました。出窓に腰かけて聞いていたエウティコという青年は、説教の途中から眠ってしまい、三階から落ちて「起こしてみると、もう死んで」いました(9節)。 しかし、パウロは彼の上にかがみ込み、抱きかかえて「騒ぐな。まだ生きている」 と言いました。
パウロの行動は、旧約聖書預言者エリヤやエリシャ(列王記上17:17−、同下4:18‐)、更にイエス様(マルコ5:35−)のなさった奇跡を思い起こさせます。私達の心は燃えていても肉体は弱いのです。伝道がなされる時、必ずといっていいほど伝道を妨げる出来事が起こります。しかしその時こそ、私達は全てに勝利されたイエス様の御力を信じて歩みたいと思います。
この出来事が起こっても、集会は妨げられることなく予定通り聖餐式が行われ、話は夜明けまで続けられ、青年は生き返りました。