不条理

 どの見方をとるとしても聖書の説明自体は、明示的ではありません。ただ結論として、「もしお前が正しいのなら、顔を上げられるはずではないか。正しくないなら、罪は戸口で待ち伏せており、お前を求める。お前はそれを支配せねばならない。」(7節)と結果論的に記すだけです。原因と結果の連鎖が不明瞭な出来事というのは、私共の中にしばしば起きます。すなわち不条理と思われるような現象です。正しいことをしているのに正しい結果が与えられない。正しい者が苦しい目に会う。どうしてか。原因と結果が、連鎖が逆になっているというような問題です。「ヨブ記」や「コヘレトの言葉」の主題となっているものです。