ご利益とたたりの信仰

 パウロも、自ら、たき火の為に枯れ枝を集めて束にし燃やしました。その時、枯れ枝の中にいた「まむし」がパウロの手に絡みつきました。島の住民は、パウロの体に毒が回り死んでしまうに違いないと考え、パウロは難破して助かっても別の仕方で死ぬのは、パウロが殺人犯か何かで、正義の女神が生きることを許さないからだろうと考えたのです。


 しかし何も起こらなかったので考えを変え、「死ぬはずの人が死なない」のは「パウロが神様だから」と考えました。この信仰は、日本人の中にも見出すことの出来る「ご利益とたたり」の信仰です。素朴な愛と親切を持ちながらも住民達は迷信と同居しており、パウロを生かしておられる生きた神様を知らない姿をここに見ます。