「おできになるなら・・お助けください」

この息子の病気は、マタイ福音書によれば「てんかん」です。発作が起これば水や火の中、地面の上など所かまわず倒れこむので、いつも命の危険にさらされていました。おそらく父親は、それ迄も多くの医者や宗教家達に診てもらったことでしょう。しかし、今回も、頼ろうとした弟子達は治すことが出来ず、今、山から下りてきたイエス様に最後の砦として願い出たのでしょう。悲惨な経験を不幸にも積み重ねてきたので、父親はつい「おできになるなら」と、付け加えたのかもしれません。最初から逃げる体制をとりながら物事を頼む父親は、100パーセント信頼しているとは言えません。