ヨブ  

ヨブ記を概観しますと、登場人物を四つに分けることが出来ます。順に挙げると、ヨブと家族、神、サタン、ヨブの友人達、のグループです。
ヨブ記は次の言葉から始まっております。「ウズの地にヨブという人がいた。無垢な正しい人で、神を畏れ、悪を避けて生きていた。七人の息子と三人の娘を持ち、羊七千匹、らくだ三千頭、牛五百くびき、雌ロバ五百頭の財産があり、使用人も非常に多かった。彼は東の国一番の富豪であった。」 
ヨブは全き信仰を有していた人物でした。当時、神の祝福と考えられていた子孫や財産が豊かに与えられ、しかも東の国一番の富豪であったということから、その地域で一番の信仰深さをもっていた者と言う評判をされていたのです。人々だけではなくて、神もヨブの信仰を認めていました。
神はサタンに語りかけます。「お前はわたしの僕ヨブに気づいたか。地上に彼ほどの者はいまい。無垢な正しい人で、神を畏れ、悪を避けて生きている。」
神の言葉を聞いたサタンは抗弁致します。「ヨブが利益もないのに神を敬うでしょうか。あなたは彼とその一族、全財産を守っておられるではありませんか。彼の手の業をすべて祝福なさいます。お陰で、彼の家畜はその地に溢れるほどです。ひとつこの辺で、御手を伸ばして彼の財産に触れてごらんなさい。面と向かってあなたを呪うにちがいありません。」