天災と天罰

この時、私が思い出したのは、関東大震災の時になされた「天譴論(てんけんろん・天のけん責)」の議論です。これは、「大震災は私達の行ないの悪の故であり、天が懲らしめている」という議論です。この議論は、渋沢栄一(当時東京商工会議所会頭)が言い始めた議論で、明治維新以来、東京は、政治、経済の中心となって繁栄を続けてきた。その中で人々はおごり、私利私欲に走り、道徳的に乱れた日本に与えた天のけん責関東大震災であるという趣旨です。これはかなりの反響を呼びました。キリスト教会でも、この議論に賛同する人が多く、無教会の内村鑑三や、日本基督教会の牧師である植村正久も同意しています。