住民登録

帝国の支配下にあった属州の民は、皇帝の一声(勅令)で、故郷に戻り住民登録をしなければならず、それは、先祖の町から遠く離れている人々にとっては、肉体的、経済的に大きな負担でした。更に、盗賊などの生命の危険も伴います。その人々の中に、神の御子イエス様の両親という役目を担ったヨセフとマリアがいました。神様はこの二人を弱い立場のまま、むしろそのことも用いて、本当の神の救いが何かを示そうとされました。 

ガリラヤのナザレの町に住んでいたヨセフは、住民登録の勅令が出なければ、遠いベツレヘムへ行くことはなかったでしょう。「救い主は、ダビデの子孫から、ダビデの町ベツレヘムで生まれる」という預言は、サムエル記下(7:12)をはじめ、イザヤ書詩編、ゼカリヤ書などにあります。神様は、ご自分の御計画を予め預言者に託され、「救い主ご降誕」の預言を成就される為に、人間の働きを用いられたのです。