香油に対するキリストの態度

  さてキリストは、この出来事の中にあって、どのような態度、言葉を言われたのでしょうか。キリストは、ユダの発言には目もくれていません。そしてマリアの行為を承認し、マリアは、「わたし(キリスト)の葬りの日のために、それを取って置いたのだから」(7節)と、マリアの行為が、キリストの死、埋葬の準備のためのものだと言われたのです。確かにキリストはこの出来事の前に三度もご自分の苦難、十字架の死と復活について弟子達に予告しています。マリアも聞いていたでしょう。
その予告を聞いて、ペトロは、「とんでもないことです。そんなことがあってはなりません」とキリストをいさめました。さらに、キリストに従っていた人達はそれを恐れていた、と聖書は記しています。
ところがマリアは、キリストの受難の予告に従って、<葬りのために死の体に油を塗る>その備えを、すでに生前からキリストの体にしているのです。これがキリストの言われた「わたしの葬りの日のために、香油を取って置いた」という言葉です。