マリアの感謝の喜び・信頼の喜び

マリアが、キリストのいわれる言葉をどこまで理解していたか分かりません。少なくてもキリストが苦難を受けられるのではないかということは予感していたでしょう。
私はむしろ、マリアの香油は、彼女達の兄弟ラザロがキリストによってよみがえらせられた(復活させて下さった)ことへの感謝、御礼もあったのではないか。そしてキリストは、再三、ラザロの家で、ラザロの家の人達に福音を語っていた。マリアは身近に福音に接し、主イエスが真に救い主である、キリストであると信じて受け容れた感謝の喜び・信頼の喜びが、ラザロの復活に対する感謝と共に、香油を塗るということの中に表れているように思われるのです。
私達は、キリストの死と復活の意味を見極め、充分に理解することは容易ではありません。しかし主イエス・キリストに信頼し、感謝することをマリアは教えているように思われるのです。ともあれキリストは、マリアの行為を御自分の葬りの備えと受けとめたのです。