だれに、何を感謝するのか。

 収穫感謝であれ、勤労感謝であれ、誰に感謝するのでしょうか。日本では田んぼの神であったり、畑の神であったりしますが、私達は収穫感謝においては詩編にもありましたように、天地を創り自然を創り、自然を支配されている神に感謝するのです。勤労感謝であれば、私達に命を与えて下さり、家族を与え、つとめ(使命)を与えて下さっている神に感謝をするのです。キリスト教においては、天地を創り、自然を創られた神と、私達を創り、命を与え、家族を与えて、社会の一人として生きることを許して下さっている神は同じ神です。

ところで、耕作者でもなく、勤労者でもない者にとっては、感謝祭では何を感謝するのでしょうか。現代のように不況の世の中において、仕事を得られなかったり、得られた仕事も十分ではないという現実もあります。そこで考えたいのは誰に何を感謝するのかです。
神がこの自然を創り、自然を導いており、同時に神が人間を創り、この世界を導いていることに関連しますが、私達はそれぞれ一人の人間として創られています。一人の人間は、職業・仕事の他に、天職としての仕事「つとめ」があります。それは父であり、夫であり、母であり、妻であり、子供であり、家族の一員であり、一人の人間であることを通して他の人に接する、かけがえのない「一人の人」であるということです。