ダスティのこと

インディアンの方々が住んでいる場所において、彼らの信仰する宗教の中に、太陽に対する踊りがあります。その儀式では、木が用意され、飲み食いせず、四日間断食をします。そして彼らは、ビジョン(神からのメッセージ)を求めます。木からつるされているコードの先に針があり、それで自分達を刺す・・。それが、自分達を造り主(神)に献げているという宗教行為でした。この行為は、その部族の男性にとってはとても重要な儀式でした。この儀式の中心になっているのは、ダスティという人でした。
彼は白人を嫌っていました。白人がやってきた行為をすべて憎んでいました。私は、白人を嫌っているのだから、彼と関係を持たないようにしようと思いました。しかし私は、王の王(キリスト)に仕えているのだから、その事をこの人達に知らせなければいけないと思いました。
愛というものは決してあきらめない。私は、彼を愛し抜こうと決心し、愛し続けました。しかし、私が彼から感じ受けるのは、憎しみしか感じられませんでした。そのため私達は、神に従う者として、時に、それは大変困難なことでした。ある日、その村に向かって車を運転していました。突然その時、私の心にダスティに対する憐れみの心が生まれました。
 見えて来たもの・ビジョンが与えられました。それは、私がダスティの前に、膝を屈めていることでした。それは、私が昔の白人のしたことを赦してほしいと懇願している姿でした。私自身、インディアンに何かし
ているわけではありません。しかし白人として、白人がしたことに責任があるのです。
私はこのビジョンをいただいた時、「神よ、このことを、あなたがさせてくださらなければ大変です」と祈りました。なぜならダスティさんは有名な人で、いつもそばに人が沢山いました。しかし私が見たビジョ
ンには、私とダスティさんの二人だけしかいませんでした。行った場所は学校のような所でした。二人になるのはむつかしいと思いました。
しかしながら、行った先で、第三者が突然いなくなり、私と彼の二人きりになりました。もういいわけは 出来ません。私は彼の前で、ひざをかがめ、神様の御心を感じ取ることが出来ました。涙が出ました。過去に白人がした行為を、ダスティさんの家族にしたことをわびました。

最初に彼のプライドが出ました。彼は「あなたには赦しを乞う権利はない」と言いました。しかし私は続けて言いました。「私は白人を代表して赦しを乞いたい」と言いました。すると突然、彼は静まりました。
何かがそこで始まっていたのです。その場から立ち上がる時に、何かがこわれ、崩れる感じがしました。霊的なものでした。それまで私に対して憎しみの顔で見ていたダスティの、何かが変わりました。彼はインディアンの中でも「長」とされている人でした。その時から、扉が開かれ、彼との関係作りが始まりました。
再び神様からビジョンをいただきました。それは、へりくだりの中から信頼関係が生まれるということです。