菜食から肉食も

やがてアダムから世代を数えて10代目の時に、ノアが登場致します。ノアの洪水の話も皆さんご承知の通りです。あの洪水が引いて、箱舟がアララト山の上に止まり、新しい時代が始まった時に、主は、ノアを祝福しています。雲の中に虹が現れると、神は、「この祝福を心に留める」と言いましたので、この祝福のことを「にじの契約」とも言っております。その祝福の中で、神は、次のように言っています。「産めよ、増えよ、地に満ちよ。地のすべての獣と空のすべての鳥は、地を這うすべてのものと海のすべての魚と共に、あなたたちの手にゆだねられる。動いている命あるものは、すべてあなたたちの食料とするがよい。わたしはこれらすべてのものを、青草と同じようにあなたたちに与える。」(創世記9:1−3)。
換言するならば、洪水の前の人々は菜食でしたが、洪水の後は肉食が許されたということです。聖書はさまざまなことを記しておりますので、なぜ洪水後に肉食が許されたのかと思い巡らすところですが、聖書の記述は、その理由を記しておりません。ユダヤの伝承はこういうことを色々考えて、そのことについて記しています。その中には、洪水後の動物はノアの箱舟によって救われた動物たち、その一対から繁殖したものであり、すべて、家畜としての動物なので食べることが許された、という説明がありました。しかし聖書には、明確な説明は記しておりません。ただ確かなことは、すべての収穫は人間に与えられた「神からの恵み」であるということでした。